通信制高校の偏差値とは何なの?というご質問を、いただくことがあります。
自分に合った通信制高校を選んだり、大学を選ぶ際に偏差値を指標にする方も多くいらっしゃいます。
高校受験や大学進学において、学力の重要な指標として用いられる「偏差値」。
全日制高校では、偏差値が取り入れられています。しかし、通信制高校では、偏差値という概念はありません。
今回は、通信制高校に偏差値がない理由から、偏差値を目安にしない通信制高校の選び方。偏差値の高い大学へ進学できるかについてわかりやすく解説します。
最後までご覧ください!
通信制高校の偏差値とは?
通信制高校では、偏差値の概念がありません。
中学校またはこれに準ずる学校を卒業した人か、それと同等以上の学力さえあれば(中学校卒業程度認定)無試験で入学できる通信制高校が多いため、偏差値を割り出すことができません。
たとえ、入学試験があったとしても書類選考と面接、作文での試験となることが多いため、偏差値を割り出すことが難しくなっています。
ただ、偏差値は必ずしも存在しないわけではありません。
偏差値を公表している通信制高校もありますが、学校側が公表しているケースはごく少数です。
なぜ、通信制高校の偏差値がないのか?
通信制高校に通っている人は、さまざまな事情を抱えています。
すべての人へ教育の機会を提供するための通信制高校では、高校の卒業資格を取れるよう、落とす試験ではなく受け入れるための試験を実施しています。
学力による合否判定が不要なため、偏差値を公表していないケースがほとんどなのです。
もし、自分の偏差値を知りたい場合は、予備校が主催する公開模試を受けることで、自分の偏差値を知ることができます。
今後、大学へ進学するためにどのぐらい勉強しなければいけないのかの目安となります。
自分に合った通信制高校の選び方
学校選びの際、偏差値を基準にしていると「自分に合った学校をどうやって選んだらいいのかわからない」とご相談いただくこともあります。
通信制高校の選び方は、自分の学習目的に合った学校を選びましょう。
通信制高校では、学習コースや通学スタイル、サポート体制などさまざまなカリキュラムが豊富に設けられています。
まずは、自分がどんな道に進みたいか、どんなことを学びたいかをよく考えた上で、興味を持った学校の資料請求をしたり、説明会に参加したりすることをおすすめします。
通信制高校から偏差値60・70の高い大学に行ける?
通信制高校から偏差値の高い大学に行くことは可能です。
なぜなら、通信制高校は全日制高校と同じ「高校卒業資格」を取得することができるからです。そのため、志望大学に合格できる学力があれば、偏差値の高い大学でも受験ができます。
文部科学省が発表した令和2年の調査「高等学校通信教育の現状について」によると、2012年の通信制高校からの大学進学率が16.5%だったのに対し、2019年は18.0%と上昇。
通信制高校から大学に進学する生徒が増えている傾向にあります。
近年の通信制高校は、高校卒業資格の取得だけではなく、大学進学に力をいれているところも増えています。単位制を活かしたカリキュラムが魅力的で、大学受験するためにあえて通信制高校を選択する生徒もいます。
偏差値の高い大学を目指すのであれば、大学進学の実績があり、大学受験のサポート体制が整った通信制高校を選びましょう。
通信制高校から偏差値60・70の大学進学は可能
通信制高校の中には、名門大学への進学実績が高い学校もあります。
また、進学率などの情報を公開している学校がたくさんあります。
大学進学を目指すのであれば、まずは希望する通信制高校の卒業生がどんな大学へ進学しているのか。
進学実績を確認してみましょう。
指定校推薦入試やAO入試
大学受験には、一般入試ではなく指定校推薦入試やAO入試(アドミッションズ・オフィス入試)という選択肢もあります。
一般入試では、学力で入学者が選抜されます。一方、指定校推薦入試やAO入試では、普段の学業成績や課外活動に対する意欲、生活態度などを重視して入学者が選抜されます。特に、AO入試では、受験生の個性や特技が重視されます。
文部科学省が発表した平成31年度の調査「入学者選抜の実施状況等」によると、2000年のAO入試での入学者が8,117人(全体の1.4%)だったのに対し、2019年は61,127人(全体の9.9%)と上昇しています。
高偏差値の大学でもAO入試での入学枠が広がってきています。
そのため、自分の特技やアピールポイントを増やすために、通信制高校で自由に使える時間を有効活用する生徒もいます。
通信制高校から大学進学を目指すメリット
通信制高校から大学進学を目指すメリットは、大きく3つあります。
- 入学の間口が広い。
- 学校に通う時間が少ない
- 自分のペースで勉強ができる
自分に合った学習を進め、それ以外の時間を受験勉強に充てることができます。
また、決められた日以外は通学する必要もないため、時間を有効活用することもできます。入学時に「この学力では、大学進学は難しい」と思っていても、受験勉強に専念することもできます。
また、学校以外の活動に専念し、専門的な技術や体験を積むことも可能です。自分の特技やアピールポイントを増やしAO入試で大学進学という選択肢もあります。
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