青楓館が大切にしている「社会につながる学び」。それがPBL(プロジェクト学習)です。今学期の成果発表会「第9回 楓杯PBL部門」では、農業問題から最新AIの活用、メタバースの構築、そして地方創生まで、多岐にわたるプロジェクトの報告が行われました。生徒たちが自ら課題を見つけ、教員や外部のプロフェッショナルを頼りながら、時には大きな壁にぶつかりつつも形にしてきた「生きた学び」の成果をお届けします。
楓杯とは
楓館高等学院が学期末に実施する成果報告会です。青楓館ではマイプロ活動やPBL活動を通して、生徒が主体的に社会とつながる力を養う教育に力を入れています。楓杯は、その学びの集大成として生徒の挑戦に光を当て、「挑戦への賞賛」を目的としたイベントで、当日は200人を超える方々にご参加いただきました。今回は個人部門に登壇した生徒たちの発表の様子をご紹介します。
失敗から学ぶイベント企画の難しさ「淡路島農業PBL」
- 淡路島農業PBLの概要
淡路島の食料自給率100%を全国に広めようと、株式会社 Pasona様(兵庫県淡路島)や淡路島の農家と連携して農業体験イベント「サステナファーム」を企画しました。現地に7回も足を運び、農場見学や競り見学、現地のビラ配り広報など入念に準備を進めましたが、結果は「参加者ゼロ」という悔しいものに。しかし、その失敗に立ち止まることなく、広報の重要性やイベント運営の厳しさを学び、すぐさま相生市での地域イベント「鬼隠しの町」のボランティア運営にてその教訓を活かしました。


◎教員からのコメント

4ヶ月間準備したイベントに誰も来ないという結果は、本当に悔しかったはずです。しかし、そこでモチベーションを切らさず、「なぜ失敗したのか」を分析し、次のイベントに前向きに取り組んだ姿勢に確かな成長を感じました。失敗からしか得られない「生きた教訓」を掴み取りましたね!
◎生徒からのコメント

失敗をしっかり分析して次に活かそうとする前向きな姿勢が本当にかっこよかったです!ハキハキとした聞き取りやすいプレゼンから、農業への熱い想いと、何度でも挑戦し続ける力強さが伝わってきました!
プロセスそのものが価値になる「沖縄SDGsPBL」
- 沖縄SDGsPBLの概要
SDGsをテーマにORION COSMETICS様(沖縄県)と連携したプロジェクトです。このPBLでは「事前に準備した企画を企業に提案し、プロからのフィードバックを受け、改善を重ねて形にする」というビジネスさながらのプロセスに挑戦しました。事前に練り上げた企画を意気揚々と現地でプレゼンしたものの、「ターゲット層とずれている」という厳しいフィードバックを受け、メンバー全員がメンタルブレイクを起こす事態となりました。しかしながら再度自分たちと向き合い直し、最終的にエコ洗剤キットやパッケージ開発など、形に残る素晴らしい成果を生み出しました。さらに、この活動をきっかけに、参加した生徒の一人が自らの事業アイデアとして「マイプロジェクトアワード」へと昇華させ、現在も個人の活動を続けています。
- 「マイプロジェクトアワード」とは・・・認定NPO法人カタリバが運営する、高校生が自ら探究し実践したプロジェクトの学びを共有し、次の一歩を考える日本最大級のアワードです


◎教員からのコメント

「提案→フィードバック→改善」という社会人でも苦労するリアルな壁に、高校生が真っ向から挑みました。大人からの本気のダメ出しに一度は心が折れかけたものの、逃げずに本音でぶつかり合い、見事に立て直しました。「やらされる」タスクから「自分ごと」へと変わった瞬間、プロセスこそが最大の学びであると証明してくれました。
◎生徒からのコメント

「プロセスそのものが価値になる」という言葉がとても心に響きました。高校生がビジネスのリアルな壁に挑み、そこから個人のマイプロジェクトへと繋げていく姿は本当にかっこいいです!
仲間と創り上げた大冒険「北海道商店街PBL」
- 北海道商店街PBLの概要
北海道美幌町を舞台に、「活気がなくなってしまった商店街を盛り上げよう」と社会課題の解決に挑んだプロジェクトでは、RPGの世界観を取り入れたイベント「美幌クエスト」を企画しました。現地に行けないため遠隔での準備、直前での著作権トラブルなど、様々な試練が襲いかかりましたが、先輩や現地の方々と協力して無事に乗り越えることができました。結果的に119名の来場者を動員し、約61万円の収益を達成するなど、見事大成功を収めました。


◎教員からのコメント

「商店街を盛り上げる」という大きな社会課題に対し、遠隔からアプローチするのは想像以上にコミュニケーションが難しかったと思います。しかし、地域の方々と協力し、一つ一つの「クエスト(試練)」をクリアしていく姿は、まさに地域を救う勇者のようでした!
◎生徒からのコメント

RPGのような世界観のスライドとナレーションが新しく、まるで自分もクエストに参加しているみたいでワクワクしました!遠隔での準備や事前の著作権トラブルなどの試練を乗り越え、60万円以上の収益を出して大成功させた行動力とチームワークは、本当にすごいです!
継続と分析が導いた圧倒的成長「SNS運用PBL」
- SNS運用PBLの概要
青楓館の公式SNSを運用するプロジェクトです。1年前はフォロワー約1,100人、1本の動画編集に7時間かかっていましたが、現在ではフォロワー2,000人超え、総再生回数200万回を突破。編集も1時間でこなせるようになりました。投稿ごとのデータ分析と投稿内容の改善を地道に繰り返した結果、SNSの閲覧をきっかけに青楓館へ入学した生徒も実際に生まれています。「通信制高校アカウントでフォロワー数全国1位になる」という大きな目標を達成すべく、来年度もさらなる改善と発信を継続していきます。


◎教員からのコメント

華やかに見えるSNS運用の裏側で、数字と向き合い、地道な分析と改善を1年間やり続けた継続力に拍手です。再生回数という結果や入学のきっかけを生み出しただけでなく、主体的に意見を出し合えるようになった一人ひとりの心の成長が何よりの成果ですね!
◎生徒からのコメント

1年間での進化に驚きました!泥臭い努力や、継続力が本当に素晴らしいです。「通信制高校アカウントでフォロワー数全国1位」、絶対に達成できると信じて応援しています!
【PBL部門 優勝】みんなの個性を大爆発させた「熊本県インクルーシブPBL」
- 熊本県インクルーシブPBLの概要
熊本県大津町を舞台に、「インクルーシブ(違いがあっても誰もが当たり前に参加できる社会)」という考え方を広め、社会課題の解決に貢献することを目指したプロジェクトです。現地では年齢や性別に関係なく誰もが一緒に楽しめるよう、人間すごろくやモルック、フェイスペイントなどのブースを出展しました。さらに、スタンプラリー付きのオリジナルチラシを自ら配って集客の工夫を凝らし、老若男女が助け合い笑い合う「温かい空間」を創り上げました。メンバー全員がそれぞれの得意分野や個性を大爆発させ、見事PBL部門の優勝に輝きました


◎教員からのコメント

PBL部門優勝、本当におめでとう! 「インクルーシブ」という抽象的な概念を、単なる座学に留めず、「誰もが混ざり合える遊び」へと昇華させた具現化能力は実に見事でした。各メンバーが自分の持ち味を理解し、主体的に役割を全うしたことが、イベントの成功と社会課題解決への確かな一歩に繋がりました。皆さんの情熱が地域の方々の心を動かした、熱量の高い素晴らしい実践でした。
◎生徒からのコメント

ユーモアたっぷりで会場全体を巻き込むプレゼンに引き込まれました!難しいテーマを「自分たちがまず楽しむ」ことで表現し、会場全体を笑顔にしてしまう行動力が本当にかっこよかったです。
自由と責任、感謝と信頼の「神戸異人館PBL」
- 神戸・異人館PBLの概要
神戸市北野の「メディウム邸」を舞台に、参加メンバー3人が「学生が出展できるポップアップイベント」「主婦層へ向けた周辺への封筒配布企画」「海外観光客向けの誘致企画」という個性豊かな事業をプレゼンしました。その結果、提案したすべての企画が見事採択され、実行に至りました。個性を自由に表現しながらも、クオリティの高い成果物を出し続けることで「大人との信頼関係」を築き上げた、プロ意識の高いプロジェクトです。今後は神戸の魅力を軸に、女性起業家の育成・発掘を目指しイベント規模を拡大します。


◎教員からのコメント

「1人1事業」を提案し、ターゲットも手法も異なる3つの企画を完遂した行動力には驚かされました。皆さんが築いた信頼があるからこそ、自由な挑戦を任せられます。 実践的なビジネススキルを磨くと共に、多様な社会人との関わりを通して豊かな社会性を今後も育んでいってほしいです。感謝と思いやりの心を武器に、更なる高みへ突き進む姿を全力で応援しています!
◎生徒からのコメント

メンバー全員がそれぞれ全く違う企画を提案し、すべて実現させて収益まで上げているのが本当にすごいです!大人としっかり信頼関係を築き、「自由と責任」「感謝」を胸に、高いクオリティで成果を出し続けるプロ意識の高さと楽しそうな雰囲気が最高でした!
社会人を巻き込んで中高生がAIアプリを開発!「東大ワークショップPBL」
- 東大ワークショップPBLの概要
プロと連携してイベントをゼロから設計し、東京大学を舞台に、社会人や中高生に向けた「AIアプリ開発ワークショップ」を生徒が主催しました。当日は約50名が参加し、「学校の課題をAIで解決する」をテーマに議論を重ね、「提出物の管理が大変」「生徒の人間関係の悩み」「忘れ物」といったリアルな課題を解決するためのAIアプリ(試作版)をわずか数時間で作り上げました。参加者の可能性を大きく広げる体験を提供した、画期的なプロジェクトになりました。


◎教員からのコメント

社会人やプロの方々を巻き込んでのイベント設計、本当にお疲れ様でした。ゼロからの企画という重圧の中、参加者の「体験」を第一に考え抜きましたね。「AIは答えを出すものではなく、可能性を広げるパートナーである」というメッセージは、これからの時代を生きる全員の背中を押してくれました。
◎生徒からのコメント

「AIは答えをもらうものではなく、可能性を広げるパートナー」というメッセージがこれからの時代にぴったりで心に響きました!高校生が社会人を巻き込み、ゼロからワークショップを設計して参加者にアプリを作らせるという、スケールの大きさと実行力に圧倒されました。


