プロフィール
天野 太郎さん
名古屋大学経済学部卒。
1993年、総合商社丸紅に入社。事務機器販売を担当しロシア・米国駐在を経て、2002年6月株式会社アトライを創業。
アトライにて中古事務機の輸出事業を営む一方、株式会社テンポスバスターズと共同出資にて株式会社オフィスバスターズを設立し代表取締役に就任。
2018年1月代表取締役会長に就任。2023年6月日本オフィス家具協会(JOIFA)理事に就任。
自身の経験や3人の子どもたちを通じて、日本の教育に疑問を持ち、「本能を大切にする選択」を提唱した。教育や社会の変革に関心を持ち、高校生の挑戦を応援している。
インタビュー
教育への関わりとその理由
岡内
本日はお時間いただきありがとうございます! まず、天野さんが青楓館に関わってくださっている理由について改めてお聞かせいただけますか?
天野さん
私には3人の子どもがいて、彼らを見ていると、今の学校教育が昔と変わっていないことに疑問を感じるんです。社会はどんどん変わっているのに、教育だけが取り残されているような気がしていて。
そんな中、偶然にも役員経由で岡内さんを紹介いただき、青楓館の取り組みを知ったんです。「これはぜひ関わりたい!」と思いました。社会の変革を目指す教育がここにあるなら、自分も学ばせてもらいたいという気持ちで関わらせていただいています。
高校生に求めるスキルと考え方
岡内
天野さんの会社に合う学生、またこれからの社会で求められる人材像について教えていただけますか?
天野さん
青楓館の学生たちは、自分の考えを持ち、発信できるのが素晴らしいですよね。一般的な教育では「正解を求める」ことが重視されがちですが、本来の学びは「自分で考え、どう捉えるか」が重要です。
私自身、商社時代に海外で働いていたことがありますが、日本の学歴社会の影響は根強いと感じています。でも、これからの社会では「型にはまらない思考力」がより必要になってくるはずです。企業側も、これまでの評価基準を変えなければならない時期にきていると考えています。
「本能で選ぶ」キャリアの大切さ
岡内
就職活動の際に、どういう視点で会社を選ぶのが良いと思いますか?
天野さん
私は「本能に従うこと」が大事だと伝えたいですね。就活では、初任給や待遇などの情報に目がいきがちですが、本当に大切なのは「自分がその仕事を楽しめるかどうか」です。
たとえば、学生時代のアルバイトを思い出してみてください。時給の差よりも、「この仕事なら自分に合いそうだな」と直感で選んでいませんでしたか? 仕事も同じで、「この会社の理念に共感する」「この仕事がワクワクする」と感じるかどうかが、長く働くうえで重要なポイントになります。
だから、迷ったときにはデータよりも自分の本能に耳を傾けてほしいですね。
高校生のうちにやっておくべきこと
岡内
もし天野さんが高校生に戻れるとしたら、どんなことをしますか?
天野さん
間違いなく「自分の好きなことを突き詰める」時間をもっと取りますね。社会に出ると、どうしても周囲の価値観や会社のルールに縛られてしまう。でも、学生時代はそうしたしがらみがない。だからこそ、もっと自由に「自分の興味があること」に向き合えばよかったなと思います。
また、ディスカッションをする場があれば、積極的に参加したかったですね。私の学生時代は「考えをぶつけ合う」場が少なかった。でも、社会に出てからは議論が当たり前になり、そこで初めて「自分の考えを表現する力が必要なんだ」と痛感しました。青楓館のように、高校生のうちから議論できる環境があるのは素晴らしいですね。
今後の教育と社会への期待
岡内
今後の学校教育や社会に対して、どんなことを期待されますか?
天野さん
もっと「自由な選択肢」が増えてほしいですね。日本の教育はまだ「この道しかない」という固定観念が強い。でも、社会にはもっと多様な生き方があるはずです。
私自身、商社から独立して経営者になりましたが、「こういうキャリアの歩み方もあるんだ」と実感しました。学生たちにも、決まったレールの上を進むだけでなく、自分の本能を信じて挑戦してほしいですね。
岡内
本日は貴重なお話をありがとうございました!
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