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「子どもの未来を守る」をスローガンにした通信制サポート校の青楓館高等学院による、教育者・経営者インタビュー第一弾!
今回は、約30年前に日本で最初の探究的なオルタナティブスクールを立ち上げながら、
海外の留学生を多数受け入れる神戸情報大学院大学の学長でもある、
炭谷俊樹さんにインタビューをさせていただきました!
30年前から「探究」の概念と機会を国内に広め、
「Tankyu」として世界にも発信してきた中で
日本の教育の今をどう捉え、今後何が必要か、について伺いました。
前編:日本の教育に必要なのはイグナイター。日本初のオルタナティブスクール30年間の軌跡と今後の展望
後編:世界にTankyuを発信して感じた、日本の和の精神の価値
今回お話を聞くのは:探究推進機構 代表理事/神戸情報大学院大学学長 炭谷 俊樹さん
1996年(29年前)に、当時デンマークから帰国して、日本に探究的な学びの場を提供する必要があると感じ、探究的な学びを提供するオルタナティブスクールであるラーンネット・グローバルスクールを神戸の六甲山に創設。
神戸情報大学院大学にて、学長として海外のアフリカ、中東、アジアなど100カ国以上から多様な留学生も受け入れながら、自国を豊かにする人をふやすICT教育環境の提供にも取り組む。現在の日本に、人の探究心に点火する「探究イグナイター」が必要と捉え、探究推進機構を立ち上げ、代表理事として日本内で探究的学びをファシリテート・ナビゲート・イグナイトする人の育成に注力していく。
青楓館高等学院とは
3年前に設立された明石にある通信制サポート校。2025年10月現在の生徒数は240名です。個性を重視し、生徒全員が毎週1on1をしたり、卒業決定率100%・進路決定率99.5%と、出口支援を行うなどを特徴を持ちながら「社会に開かれた学校」として、PBLや社会人ゲストスピーカーが毎月訪れるなど、学校と社会のギャップをなくすことにも取り組んでいます。
現在2校目の芦屋校立ち上げに向け、クラウドファンディング中!
織田:それでは、よろしくお願いします!まずは、読者の方に炭谷さんのこれまでを知っていただきながら、ご活動の原動力やルーツも探っていきたいと思います。
日本で初の探究的なオルタナティブスクールを立ち上げたり、探究という言葉自体も30年近く前から、その概念を広げることに注力されていた炭谷さんの、
生い立ちから、これまでの経緯、その原体験となったご経験をお伺いしてもよろしいでしょうか?
炭谷:はい、わかりました。
小学校時代に『学研の科学』という本を愛読していまして、そこで出てきたアインシュタインに憧れを抱いたのが自分自身の重要な原体験の1つです。e=mc2というシンプルで美しい数式を見て、自分自身も1つの美しい理論を見つけたいと思い、「ぼくも物理学者になる!」と決意。大学・大学院で物理学(素粒子論)を専攻しました。
ただ、今思うと、この時は1つの美しい理論に憧れたと言いつつも、世界に何かしらの「正解」があるんだと思い、それを求めていたんだと思います。
でも世界はもっと複雑で、到底一筋縄で行かないこの世界に対して、ある種の挫折を味わいました。
でもある意味、これが今の「探究」を広めるきっかけになったと思います。
世界は複合的に、互いに関わり合いながら形成されていて、1つの教科を極めるだけでなく、ジャンルや教科を越境して学ぶことで多面的に世界が見える。
だからこそそれぞれの興味をもとに、それぞれの道のりで探究しながら学ぶことができると思っていますし、当時の自分に対しても「世界はもっとダイナミックで面白いよ。」と伝えたいです。

織田:改めてそこからオルタナティブスクールの立ち上げに至った経緯も伺ってもよろしいでしょうか?
炭谷:研究者の道を諦め、路頭に迷った後は、 日本のコンサルティング業界を切り拓いた大前研一氏との出会い、当時日本では全く無名だった外資系経営コンサルティング会社マッキンゼーに就職しました。
マッキンゼーにいる間にありがたいことに、2年間、デンマークにある北欧事務所に勤務し、家族と一緒に行ったのですが、
その時 長女デンマークで受けた、一人一人の個性を受け入れて自立心を伸ばす教育や、皆で話し合って社会課題を解決していく民主的な社会に感銘を受け、これがラーンネット立ち上げのきっかけの1つです。
もう1つ大きなきっかけだったのは、コンサル業界で「お金だけが本当の幸せなのか?」問いを持ったことです。
「取引先の会社を儲けさせる」コンサルタントという仕事をしながらもが、漠然と、「お金で本当に幸せになれるのか?」という違和感を持っていた最中、日本で阪神大震災が起きました。
日本にすぐに帰国したのですが、その当時の被災地域では、お金の価値は薄れ、食べ物や人のつながりなど、幸せになるために、お金以外に大事な人の根源的な要素がたくさんあると強く感じることができました。
その反面、高度経済成長中の日本はお金に対する疑念も薄く、良い就職先・高学歴・高い年収をゴールにした管理教育が主体となっている中で、デンマークのような、個性や対話を重視した学びの環境が全くないと感じました。
それらの思いが積み重なり、帰国後の1996年に探究的な学びの環境を提供するオルタナティブスクールである、ラーンネット・グローバルスクールを設立しました。

織田:30年前の日本で、探究的な学びの環境を作るというのは、周りの理解も得づらいのではないかと思います。
今でこそ「探究」という言葉も一般化してきましたが、それもここ数年の話。そう思うとこの30年もたくさんのご苦労があったんだと想像します。。。
炭谷:はい。子供達が生き生きと学べる環境を提供したい気持ちや危機感から、立ち上げることになりましたが、
正直、オルタナティブスクール経営は本当に大変です!
当時は特に、理解いただける方も少なく、「守られていないところ」で戦い続けてきた感覚でしたし、
一部の人たちの間で一定の理解が得られるようになり、生徒数も安定的に入っていただくようになってからも、経営的な難しさがずっと付きまとう。
青楓館さんも感じることはあるかもしれないですが、教育を届ける上で格差を広げたいわけではないので、
値段は上げたくない思いがありながらも、経営的な売上や利益をださないと基盤が安定しなかったり、次の動きのスピードが落ちてしまう。
やりたいことと現実の矛盾も多く、本当に難しいと感じます。
覚悟決めた人しかできないと思います。
織田:そんな中、どうしてそれを30年も続けられてきたのでしょうか?その原動力などもお伺いしたいです。
炭谷:最初に立ち上げた理由と、続けてきた理由はある意味一緒で、ある意味違うのですが、
初めて何年かで「これはやめられない」と感じたのが一番大きかったです。
信じてきてくれた生徒たちのためや、日本の未来のため、という意味でもやめられないですし、
色んな方に助けてもらいながらここまでやってきたのですが、「続けるぞ」という気迫や意志がないと誰も応援してくれないし、助けてくれない、というのもあります。
だから、本気で続ける方法だけをひたすらに考えました。
その後、探究という言葉を普及させるべく、「Tankyu」という概念を海外に広める活動をしたり、探究的な教育者や大人へのインタビューを行うメディアを立ち上げるなど、
ありとあらゆる、できることをしてきました。



織田:30年でラーンネットの認知も広がり、おかげさまで今では探究という言葉も使われるようになりました。
そんな中で、炭谷さんが捉える、今の日本の状況もお聞きしたいです。
30年前と今とでは、どういった変化を感じますか?
炭谷:正直なところ、30年前と比べて今の方が良くなっている感じがしないのが本音です。
教育が変わっていないのではなく、世の中の変化のスピードが速くなっている中で、教育環境がそれに追いついていない、という意味です。
特に小学校の現場の学校の先生は、見る生徒数・時間・教科も多く、本当に大変だと思いますし、保護者の目を気にすることも多い中で、そういった構造的な理由で生徒にのびのびさせてあげられない現場も多いと感じます。
これに関しても、制約が増えてしまっているようにも思いますし、結果的に、学校現場の制約と社会の変化のスピードにより、社会と学校との乖離は、より一層大きくなっていると感じます。
織田:この30年ですと、IT産業の発展とAIの普及で、サービスができてからユーザーに届くまでのスピードや、ユーザー数が増えて一般化するまでのスピードも、桁違いに速くなっていますね。
そんな中、変化が激しい世の中との乖離で、特にどんな点が気になりますか?
炭谷:動画やゲームやメタバースに楽しみを見出すこどもたちが増えていると感じますが、好奇心旺盛な時期に、より面白いと感じる方へ意識が向いてしまうのは当然だと思います。
小学校のタイミングでいろんな制約で好奇心を抑えられてしまうと、一番感性が伸びるタイミングでそれらが育つのを邪魔してしまう。
それを子供達も感じているから「もっと面白い方へ」と、ついついゲームなどに向かっていく。
ゲームでも探究的に学ぶことはできますが、あまり探究的でなく、ただただそのゲームをしてる。ゲームにゲームをさせられていることも多いです。
ただ、学びは本来、遥かに面白いものであるのに、それが抑制されてしまうのは本当にもったいない。

織田:だからこそ、ラーンネットのような環境が、もっと必要な気がしますね!
炭谷:はい。ここ数年で、学校に行きたくない不登校が増えていて、それも今の環境を表していると思います。
最近では、公立以外を選んでもいい、という認識が少しずつ増えてきつつあり、
ただ、それでも実は、不登校の方の中でもフリースクールを選ぶ人は10%ぐらいと、まだまだマイノリティですが、
私が一番恐れているのは、この潜在需要が顕在化した時には、あまりにもキャパシティが足りない、ということです。
その時に備えて、しっかりと受け皿を用意しないと日本は大変なことになると思います。
織田:炭谷さんとしては、それら「潜在ニーズ」が顕在化し、オルタナティブスクールやフリースクール需要がさらに高まった際に、受け皿が足りなくなるという点が最大の懸念だというお話を伺いました。
オルタナティブスクールの経営はかなりハードというお話もいただきましたが、そんな中で、希望者にとっての受け皿を国として確保していくために、どのようなことが重要だと感じますか?
炭谷:最も大事なのは、探究的な学びの場をコーディネートできる人たち(探究ナビゲーター)の数だと思っています。
これは教員に限らず、ありとあらゆる場面で、こう言った人材が重要だと感じています。
そしてそのために、これまでも、探究ナビゲーター育成講座を行ってきました。

これまで1600人がその講座を受講してくれましたが、これまでのペースでは足りないと感じており、今後10万人を育成しないと日本は良くならない。
そのために、この講座がさらに広まる仕掛けをしていこうと、今していまして、僕はそこに今後自分の人生の時間を使っていきたいと思っています。
ちなみに、これまでナビゲーターという言葉を使ってきましたが、イグナイター(火付け役)という言葉にしようかとも思っています。
これまで使ってきたナビゲーターと言うに比べて、ニュアンス的にはもっと能動的なイメージです。
また環境に順応したり、ファシリテートをすると言う以上に、この激動の時代では能動的に動いて、新しい生き方を見せる態度が重要だと思い、イグナイターという言葉の方が合っている気がしています。
織田:素敵ですね!どんな方にイグナイターになって欲しいですか?
炭谷:イグナイターになるのは、別に、学校の先生だけではないと思っております。
保護者や地域の方々、はたまた、若い人が就職した先の経営者や上司もイグナイターであることが重要だと思っておりますし、
多様な大人が子どもたちと日常で接点を持つ中でも、好奇心に火をつけるチャンスはたくさん眠っています。
学校だけで教育をするのではなく、全員が全員に対して火を付け合う環境を作っていく必要があると思っています。

織田:職種や年齢などにとらわれずにイグナイターが必要とのことですね!そしてそれを増やす活動に力を入れていかれること、とても楽しみです。
その上で、特にどんな方にイグナイター(ナビゲーター)の講座を提供していきたいと思われますか?
炭谷:先生や子供達と関わる保護者さんなどに提供したい気持ちは引き続きあります。
そしてこの講座を受けた先生に、どんどん外に出ていって、地域や他校の生徒や子供達にも関わり、好奇心や探究の火がどんどん点火していってほしいです。
ただ、これからは学校だけで教育をする時代ではないと思うので、学校外にいる大人たちにも探究イグナイターになっていただきたいとも思っています。
学校の外で子どもたちや若い人たちと関わる大人が、無意識のうちに探究心の火を消しているケースも多くあります。
自身がそういった教育を受けていないがゆえに、探究心を消している自覚を持ちづらかったり、自身の成功体験をもとに教育をするがゆえに、今の時代やその子個人にマッチしないというケースもあります。
だからこそ、学校内外の多くの大人が、一人でも多く、好奇心の火付け役である探究イグナイターであって欲しいと思っています。
織田:経営者の方で、「若い人の考えていることが理解できない」と言う意見や、採用してもすぐに辞められてしまう、と言うお声も聞きますが、このミスマッチによるところもあるかも知れないですね。
炭谷:はい。 以前経営者の方々向けにこのイグナイターに関する話をしたところ、若い人の考えを理解したいという経営者の方から多くのご質問をいただきました。
高度成長期の時は根性で社会に貢献し、経済も発展をしましたが、その成功体験だけで教育をしてしまうのは危険だと思います。
若い人たちはすでに似た感覚を得ていたとしても、社会に出た際に、会社に柔軟性がなければ、その考えが押さえつけられてしまうケースも多いです。
その反面、経営者が常に変化し、人々の探究心や好奇心に火をつける方法がわかれば、組織全体にそれが伝播し、社会にも浸透しやすくなると思っています。
その結果、「あの会社なら自分の個性を発揮できそう」と思える会社が増えたら、ミスマッチも減って日本全体にとってもプラスになると思います。
会社の現場だけでなく、学校でも家庭でも、悪気がなく火を消しているケースがあまりにも多いので、子どもの気持ちに火をつけるには何をしないといけないかを知った人を兎にも角にも増やしていきたいです。
そして、教育が学校の中で閉じずに、街で人が人に影響や刺激を与えて合うような形で、社会全体が学校になってほしいです。
ここまで、炭谷さんのラーンネット・グローバルスクール立ち上げの背景や、今の日本の教育についてどのように捉えているかと、今日本に必要なことについて伺いました。
後編では、世界にTankyuの概念を発信するなど、炭谷さんが世界に発信する中で感じた日本のポテンシャルについて伺っていきます。
後編に
続く後編:世界にTankyuを発信して感じた、日本の和の精神の価値
・ラーンネットグローバルスクール
・神戸情報大学院大学
・探究インテリジェンスセンター
・探究推進機構(ComingSoon)
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
青楓館は現在、2校目である芦屋校開校に向け、2025年10月31日までクラウドファンディング実施中!
青楓館が感じる課題と提供している学びについて記載しています。
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インタビューをした人:青楓館高等学院 経営企画 織田
新卒で入った会社で自分自身の個性や特徴を活かすことができず、3年間の自分探しの末、会社を辞めてオーストラリアでアーティストとして絵を売る生活を開始。その後、日本に帰国してカルチュア・コンビニエンス・クラブでの新規事業担当者や神戸市役所のイノベーション専門官を経て、「より多くの人々が個性を生かして過ごせる世界」を目指す中で、2025年9月から青楓館の経営企画としてジョイン。ポケモンカードで全国大会に挑戦中。